ショパンがプレイエルの鬼のような催促からバッハの平均律を小脇に抱えマヨルカにずらかっていた1939年クララも演奏旅行という名目で家を空けていた。この時期に作曲された曲。ロマンスというタイトルについてはシューマン宛てに送られた手紙「作曲中ずっとあなたのことを考えていました」を読んで幸せな方向で解釈してしまったシアワセなシューマンへの遠慮から付けたのかなぁ?冒頭から怪しげなアルペッジョと何かから逃げていくような勢い、意図した音のぶつかりが意味するものをシューマンが本当に幸せにとらえたのか「僕はまたもや僕たちが夫と妻をして運命付けられているのを聴き取った」は定かではありません。いずれにしろクラシック音楽の源はそこに心など存在していないものを心があるように表現するものなのかもしれませんが視聴する側は物事には二面性が存在していることを念頭にその人の人柄もふくめ解釈した方が物事の本質に迫れるのかもしれません。ショパンやシューマンも自身の新鮮なまま蓄積されている記憶のリアルさに苦しめられていたのかもしれませんね。生まれた時から心がロマン派だったのでしょう。